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2017年11月15日(水)兄弟

「太朗~、今日はヤー(合気道)休んでええかなぁ?ママ、ちょっとしんどくて。」
太朗のリアクションによっては、頑張っていこうと決めていた。
今日は体調がすぐれない。
多少体調が悪くても、気合でどうにかなるものだが、
今日はその気合の部分がどうも調子悪いのだ。

太朗が答えた。
「えーで、家でゆっくりやすんどき。」
太朗の言葉に甘えることにした。

このところ、いとこの2人は遊びに来ない。
3人目の赤ちゃんができて、ママが仕事を休んでいるからお守が足りているのだ。

一方、太郎は一人で遊ぶ時間が増えた。
「ママー、バァバー、外であそぼ!」
闇に浸かるまでの10分が貴重でならない季節が始まった。
懐中電灯を手に、太郎とばぁばの探検が始まる。
ママは野菜を切りながら、太郎の声に耳を澄ませる。

太朗は一人っ子だ。
妹や弟ができれば太朗にも良いだろうと思う。
いとこを自分の兄弟のように、うれしそうに友達に紹介している太朗をみるとそう思う。
残念ながらこんな状況じゃあ兄弟は望めそうにない。
ママと太郎は、ひとり親・一人っ子。


兄弟と言えば、今年47歳になる主人には姉と妹がいる。
年子の姉は、アメリカ人と結婚しアメリカで二人の娘と主人と暮らしている。
2歳年下の妹は、実家から出たことがない箱入り娘である。
母から継いだ化粧品屋をやっている。

主人と結婚し、妊娠するよりも前のこと。
月に何度か、主人の両親や妹さんを夕食に招いていた。
妹さんと呼ぶのは、私より10歳年上であるからだ。
妹さんは仕事が遅くなると言って、両親らが帰ったころに入れ違いでやってくることが多かった。
両親らは、「S子が後で来るから、残しておいてくれ。」と言った。
両親らの食器片付けが終わったころ現れる妹さんは、
しょちゅう機嫌が悪く、ろくに楽しい会話をした覚えはない。
私が出した夕食を、会話もなくただほおばって、「じゃぁ。」と帰っていく。
一言も話さず帰ることもあった。
そのころ、私はなんとなく気づいてはいたものの、妹さんのことを変な人だと言える立場ではなかった。
今思えば、この時にもっと早く確信していればよかった、と。

ある時、妹さんの婚活を手伝うこととなり、婚活パーティに付き添うことになった。
私は既婚者であることを隠し、パーティに同行した。
妹さんは張り切っていた。
ところがパーティーが始まって、人間回転寿司のようにパートナーが入れ替わり立ち代わり、
会話が進んでいくと同時に、妹さんの表情が不機嫌に変わっていった。
私も回転寿司の一員だったので、その場を離れるわけにもいかず、
妹さんの機嫌も気が気でなく、男性の会話もそっちのけで妹さんの様子を何度もうかがった。
振り返って妹さんの姿を探すが、今までそこにあった後姿がない。
愕然とした。
私を置いて一人先に帰ってしまった。
私は、妹さんのために付き合ったというのに。
一緒に乗せてきてもらっていたので帰る足がない。
仕方なく主人に連絡を入れた。
ここにきていることは説明済みであった。
ところが主人は、沸騰するかの勢いで怒っている。
誰に向けて怒っているのかも分からない。
私の心も存在も、一人ポツンと取り残された。
ただただ、悲しかった。むなしかった。


この兄弟のことがわからない。
きっと周りの状況や人のことなどお構いなしなのだろう。
自分の気持ちだけが判断基準なんだろう。
この頃から一家による嫁いじめは始まっていたのだと思う。

今頃になってつくづく思う。
気のせいや考えすぎと思いたかった事実を、見て見ぬふりしてはいけない。
何か変だ、と違和感を感じたなら、相手ではなく自分を信じなければいけないと。































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