その当時、継続中の裁判や調停で、
私の私物の引き取りが問題になっていた。
当時暮らしたあの家に、
今だ私の荷物がそのまま残っている。
特に思いをはせるのは着物。
祖母や母が嫁入りにと仕立ててくれたものや
特別の帯、冬夏用の訪問着。
和ダンス1棹分、隙間を埋めずぎっちりと入っていた。
そしてウエディングドレスや婚約指輪など。
祖母から母へ、母から私へと引き継がれた思いがある。
私はこれらの引き取りを要求していた。
1年間、何度も引き取りについての催促をしてきた。
主人方は一向に無視だった。
仏の顔も何十回だろう。
書面ではらちが明かないことを身に沁み、
裁判所で顔を合わせるたびに主人方弁護士に催促するようにした。
それでもはぐらかされ続けた。
祖母からの女の思いを踏みにじられている気さえした。
そんな中、唐突として主人方から書面が届いた。
「和ダンス等、当初から存在しません」と。
何度も何度も経験してきた動機。心臓を握りつぶされるような怒り。
最後まで私をいじめたいのだろうか。
いやがらせをしたいのか。
それとも、着物を処分してお金に変えてしまったのだろうか。
いや、高価なものに目がない一家は、自分のものにしてしまいたいのだろう。
金目の物への執着心は、この人たちを超える人はいないと思う。
褒められたものではないが尋常ではない集中力を発揮するのだから。
私の着物は・・
いまも・・
あるのか、ないのか・・・
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事後報告2
2021年6月16日