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2017年8月15日(火) じぃじの父性

お盆は済んでいた。
じぃじが思い立ったようお盆は済んでいた。
じぃじが思い立ったように旅行の計画を立てたのは1か月前。
8時過ぎに日和山を目指して出発した。
太郎はホテルに泊まれると楽しみにしていた旅行だ。
今朝はひんやりと涼しい。
うっすらと霧がかかる中、車を走らせる。
車の中は、ずっと太郎がしゃべっている。
じぃじやばぁばが話している途中にも太郎が割り込む。
遠慮もなくなったなぁ、とママは嬉しく思う。

DVから避難し実家に移り住んだころ。
太郎もママも居場所も自分たちの存在さえも失っていた。
逃げてこれるところは実家しかなかった。
実家には弟夫婦が住んでおり、太郎の一つ上と一つ下の子供が2人いた。
ママも太郎もそっと身を寄せた。
声を潜めて生活を始めた。
家族も受け入れるしかなかったと思う。
弱り果て、瘦せ細った二人を見殺しにはできなかったことと思う。
そのおかげで今がある。

車の中。
太郎はじぃじの腕に頬をよせて、
「じぃじの腕、大きくてきもちえぇなぁ。」
「じぃじ?」「じぃじ!!」
とじぃじとの愛情を確認して喜びを感じているようだ。
ママもうれしい。
太郎の父性はじぃじで満たされている。

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