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2017年8月13日(日)盆

親類の都合でうちの盆は今日になった。
朝からじぃじがセミのようにあわただしい。
普段目につかないものまで気になるらしい。
正月盆はいつも当日になってスリッパを買い足しにいく。
次は椅子が足りないと慌てだすのだ。
スリッパは年2回のタイミングで増えていく。
太郎は、ジージーミンミンうるさいじぃじに誘われて、「肉・寿司・スリッパ」を買いにお供する。
太郎がじぃじと出かけるのを見送ると、ママは焼肉とすき焼き用の野菜を準備し始める。
母屋のお盆というのは、実に盛大だ。

3年前のお盆、私はこの実家に親類としてお呼ばれしていた。
私たちは家族風だったけれど、主人は私と会話をしなかった。
家の中ではずっと無視をされていた。
いとこやおばさん、おじさんたちにはこの家族の姿は健康的に映っていたのだろうか、と疑問に思う。

そんなことを回想していると、駐車場の砂利を踏む音が聞こえ、親戚たちがやってきたようだ。
一番初めに聞こえるのは子供の声。
そしてお客に吠える犬の声。最期に玄関がガチャリと開く。

太郎が出遅れた、とばかりに飛んで帰ってきて、「おきゃくさま~おきゃくさま~」とうれしそうに動き回っている。
お客様が来たときの子供の様子というのは、待っていたご主人様が帰ってきたときのペットの様子に似ている。
飛び跳ねたり、無駄に走り回って喜びを表現するのだ。

太郎のうれしそうな様子に、母屋(ホスト)であることの喜びを確かめる。
今、ママと太郎は皆が帰ってくるところに住んでいる。
毎晩、お仏壇の前に布団を敷いて、大じぃじの写真に見下ろされて眠る。
ご先祖様がお空から仏壇へ戻ってくるとき、ママと太郎の寝ている上を通るだろう。

今年は枕仏壇をきれいに掃除した。
きゅうりと赤ピーマンに爪楊枝を指して乗り物を作り、蓮の花を玄関に活けた。
だけれど、ママは思うんだ。
お盆だけ帰ってくるんじゃなくて、自分の気持ちが会いに行けばいつでも会えるって思うんだ。

 

 

 

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