トマトの大ばぁばを電話で誘って、みとろフルーツパークにデラウェア狩りに出かける。運転はいつもバァバ。この車は、幼児を除くと平均年齢が恐ろしく高い。大じぃじは助手席。「ほんまに申し訳ないこっちゃ、すまんなぁ。太朗くんにはまいってまうわ。」大じぃじが前を向いたまま、後ろのママと太朗を気にする。バァバがすかさず、「もうええから、はよして!」と突っ込む。
「大」が付き始めると、何事も時間がかかるんだ。トマトの大じぃじも大ばぁばも決して「えらい(しんどい)」とか「つらい」と言わない。こんなに動かない体に、出てこない言葉があるのに、大じぃじからは否定的な言葉を聞いたことがない。私も同じように年をとりたい。
太朗は、壊れそうなお宝を扱うような雰囲気で、大じぃじやばぁばに接する。骨董品のことはちょっと理解が出来なくて、でも大切で、慎重になる。そんな感じ。
帰りの車の中。太朗は、大ばぁばの硬い膝の上に足をほり上げて眠っている。頭は、柔らかいママの太ももの上だ。ママは、太朗の髪をなでながら、「おばあちゃん。いっつも墓にまいってくれてありがとう。もうすぐ尋問があって、尋問があるということは審判が近いということなんや。もうすぐや。やっと。いつもありがとうな。」と言った。大ばぁばは「そうか。そうか。」と深くうなずいた。
大ばぁばの小さくなった目はキラキラ光って見えた。
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2017年7月30日(日)
2017年8月2日